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第36回 ALS(筋委縮性側索硬化症)
〜右半身の力が入らず成績不振、引退したスポーツ選手の劇的な回復〜


当コラムでALSの症例を紹介したところ、「ネット検索の末、ごしんじょう療法にたどり着いた」というALS患者が次々と貴峰道を訪れている。現代医学で治療法がないALSに苦しむ人たちは、進行する病に絶望し、それでも藁にもすがる思いで治療法を探しているのだ。そんな一人、あるスポーツ選手の劇的なALS著効例を紹介する。

現役で活躍中の37歳でALS診断

スポーツ選手として活躍していた島田雅彦さん(39歳)が、体の不調を感じ始めたのは約3年前、36歳の時だった。
「どうも右足に力が入らないな…」
厳しいスポーツの世界で、島田さんが15年以上も活躍できたのは、常に結果を出してきたからだ。だが、右脚力の低下によって、成績が落ち始めたという。
「競技を続けながら整体の勉強をし、資格を取得したばかりの時期だったため、初めは腰椎の異常だと思って椎間板ヘルニアの治療をしてもらっていました。いろいろ試してブロック注射までしたのですが、全く効果がなく、症状は悪くなる一方だったので、町の神経内科を受診したんです」
すると総合病院を紹介され、詳しく検査した結果、平成25年12月17日、「運動ニューロン病、いわゆるALSです」と診断された。
「実は僕、ALSを知らなかったんです。病名を聞かされた時は、『そうなのか、自分はALSという病気だったのか』としか思いませんでした。怖くなったのは、その夜からです。診断直後にスポーツ界の恩師に報告すると、恩師が絶句し、『間違った考えだけは起こすなよ』というので、ネットでALSを調べました。『筋力が低下し、だんだん体が動かなくなり、次第に食べることも、呼吸することも、自力で目を開けることもできなくなる』とか『寿命は短い』『治療法はない』『絶対に治らない』などと書かれてあったので、その日から怖くて寝られなくなりました」
朝起きた時、体が動かなかったら…そう思うと、眠れない。酒量が増え、生まれて初めて睡眠薬を手放せなくなったという。 

筋肉が壊れていく恐怖と絶望

「病院では、余命を少し伸ばせるかもしれないという説明で『リルテック』という薬が処方されました。1錠500円と高価で、ひと月6万円もするのに、効果が実感できないばかりか、気持ちが悪く、胃痛、むくみなどの副作用がひどかったため、1カ月で止めました。次にビタミン剤の『メチコバール』が処方されたのですが、これも胃痛などの副作用が辛く、3日で止めました」(島田さん)
ALSに治療法はなく、治療薬もないうえ、気休めとなる処方薬も飲むのを止めた。
右手足の運動機能と筋力の低下は日に日に進行し、それに伴い、競技成績はガタ落ち。先の見えない絶望。自慢の筋肉が壊れていく恐怖。「壊れた筋肉がただの肉となり、プニプニしていくのが気持ち悪い」と、ALSに侵された肉体を嫌悪するようにもなった。
整体の恩師に、ALSが良くなるかと尋ねた時の「すまん。力になれん」という返事も、島田さんの気持ちを一層暗くしたという。
「友達に告白すると、皆泣きますわね…それも辛かったですね」と島田さんは当時を振り返り、声をつまらせた。
成績不振が続き、去年夏ごろには、もう競技にならなくなった。悩み抜いた結果、昨年の秋、38歳で引退を決意したという。

山田医師のコラムを頼りに上京

鍼灸、整体、気功、数種類のサプリメント、電気治療、食事療法…。島田さんはあらゆる治療法を試してみた。しかし、何をやっても全く効果がない。それでも島田さんはインターネットで治療法を探し続けたという。
当コラムのALSの回にヒットしたのは今年6月1日。自らのごしんじょう体験談を語り、ごしんじょう治療の効果を考察する山田弘医師の言葉にくぎ付けになったが、「でも、ALSが金の棒で改善するわけがない」と一度はサイトを離脱。しかしやっぱり気になって貴峰道サイトに戻り、山田医師が実在の人物なのか、丹念に検索して調べてみたという。
クリニックのホームページを見つけ、山田医師が実在することを確認した。
「医師が自らのALS治療体験を実名で語るのだから、信用できるのではないか…」
最終的に「自分自身でごしんじょう治療の効果を確かめてみよう」という気になり、島田さんは貴峰道に電話。貴田晞照師からの「詰めて治療した方がいい」というアドバイスを受け、6月11日から3日間、治療予約を入れた。
ネットで貴峰道を見つけた6月1日は、「筋肉の状態を見たい」という主治医に従い、MRI検査を受ける日でもあったという。だが、検査を受けた直後から、それまで緩やかなペースで進行していた症状が一気に悪化してしまう。
「なんとか続けていた朝晩のジョギングがMRIの後は苦になって全くできなくなりました。歩きづらく、また右足首の底屈背屈ができなくなるなど右下肢の異常が進み、右上肢も同様に悪化したため、書くこと、右手で箸を使うことも困難になりました。すねの辺りの右前脛骨筋、肘から先の右前腕部の違和感もすごく感じるようになり、車の運転のペダル操作も左足でしかできなくなりました」という。
急速な病の進行に、島田さんの不安は募り、貴田師に再び電話。すると、「強力な磁場を発生させるMRIは、体に強い邪気を生じさせますから、状態が一気に悪化したのでしょう。ごしんじょう療法では、検査で生じた強い邪気も取ります。必ず助けになります」と励まされた。島田さんは、貴峰道へ行くのが待ち遠しくなり、治療日を指折り数えていたという。

腕立て伏せ1回が精一杯、1度の治療で10回も!

貴峰道では初診時、患者さんがカルテに来院までの経過を書く。
島田さんも初診の今年6月11日、動かしづらくなった右手でペンを不安定に握り、かろうじて読めるようなヒョロヒョロの線のような文字で時間をかけて病歴を書いた。
「○○選手をしていました。3年くらい前より成績が落ち始めて、右足に力が入り辛くなってきました。……」
書きながら、涙がポタポタとこぼれ落ちた。
「貴田先生は、僕がALSで辛くて、悔しくて泣いたと思ったかもしれませんが、僕はやっと貴峰道にたどり着いたという感動の方が大きかったんです。貴峰道の空間は静謐で気の質が他と全く違うし、先生の『必ず助けになりますから』という力強い言葉も心強くてうれしかった。治療を受ける前から救われた気持ちがありました。病気の進行を少しでも食い止めることができれば、それだけで助かるし、それで十分だと思っていました」

だがその後の初回治療から、島田さんは「現状維持で十分」という期待を遙かに超える“体の変化”を体験することになる。以下の記述は、ごしんじょう療法の難病症例DVDにも収録しているので、真偽を確かめたいALS患者の方、医療関係者は貴峰道に問い合わせていただきたい。

6月11日の治療前、島田さんは歯を食いしばって力んでも、右足首に力が入らず、背屈できない。右足の底屈背屈がほとんどできないため、右足を引きずって歩く状態。右の片足立ちもできない。右手にも力が入らず、歩く際に右手は全く振れない。右手を地面に水平に上げるのがやっとで、バンザイの状態まで持ち上げることはできない。治療ベッドの上で腕立て伏せをやってみるが、腕に力が入らず、渾身の力を込めても1回やるのが精一杯、2回目を試みるが全くできない。
ところが1度の治療後、「腕立て伏せをやってみますか」という貴田師に「なんかできそうな気がする」と島田さん。1、2、3…治療前より速いスピードで、なんと10回! ビックリした表情から笑みがこぼれ、「力が入ります。うれしいです」。さらに、右足首の背屈を試みると、ゆっくりながら数センチ動かせた。そのため、わずか1回の治療で歩行時に右足を少しだけ浮かせるようになった。歩く姿が治療前後で全然違うのだ。また、右手にも力が入ることを実感し、バンザイの状態まで上げられるようになった。
島田さんは初回治療の感想を次のように話す。
「インターネットで治療の体験談を読んでいたので、手足がビリビリすることは知っていましたが、それが本当に実感できました。僕の場合、治療の途中で手足から塊のようなものが出ていく感覚もあったのですが、それも邪気という説明でしたので、邪気が塊で出たことも実感できました。動かなくなってきた右上肢と右下肢、それにどういうわけか頭の左側は、ごしんじょうが当たるとかなり痛かったのですが、痛いところにごしんじょうが当たると余計に手足がビリビリし、邪気が出ていくことがよく分かるので、そこに邪気が強く溜まっていたことが分かりました。邪気が抜けていくと、治療の途中から右上下肢に力が入る感じがしてきて、治療後は体がとにかく楽になりました」

“体の変化”で筋トレ再開、筋力アップへ

たった1回の治療効果に驚愕した島田さんだが、3日連続の治療で、さらに階段を駆け上がるような劇的な“体の変化”を体験することになる。
治療前になんとか1回、初回治療後10回できた腕立て伏せは、翌12日は15回、13日には23回もできるようになった。
右足首の底屈背屈も少しずつ可動域が大きくなり、歩行が日に日にスムーズになった。そのため、ホテルから貴峰道まで約800メートルの距離を治療前は30分かけて足を引きずって歩いてきたが、12日には20分、13日は15分で歩けるようになったという。急速の回復である。
治療前はできなかった右足での片足立ちも、13日には1分程度できるようになった。力が入りバランスがとれるということは、足まで届かなかった神経伝達がスムーズにいくようになった証拠である。
「東京に2泊しましたが、ホテルで熟睡できたことも驚きました。ALSの診断を受けてから、睡眠薬なしで熟睡できたのは初めてでした。治療3日目に、いつもピクピクしていた右足の痙攣がピタッと治まっていることに気づいた時も驚きました。ごしんじょう療法への期待はありましたが、正直、ここまでの変化があるとは思っていませんでした」
帰宅した後も改善された症状は維持でき、15日には朝のジョギングを再開。筋トレも再開し、運動量増加にともない食欲も増え、睡眠の質もさらに良くなった。車の運転時も右足が使えるようになったという。
島田さんは6月16日にまた上京し、今度は東京に3泊して治療を受けた。その間にごしんじょうを譲ってもらい、暇さえあれば自分で自分を治療するようになると、さらに心身が軽くなっていったという。
ごしんじょうを手にすると、いろいろ試してみたくもなった。
地元の友人らが肩や腰が痛いと言えば、ごしんじょう治療をしてあげ、10分程度の治療でも「痛みが取れた」「楽になった」と驚かれ、喜んでもらえる。ごしんじょう療法の真価を感じる毎日だったという。

治療家という新たな目標も

島田さんは貴峰道の治療を受ける度に“体の変化”を実感できるため、その後も毎週3日間欠かさず上京。朝8時から夕方まで貴峰道にいて、朝、夕2回の治療を受けるということを続けた。
「貴峰道に朝から晩までいると、末期がんの方や重度のアトピー、脳障害など難病の人たちが次々と来ます。重度の肝硬変、肝臓がんで臨月のように腹水が溜まり、昨年9月に主治医から死を宣告されたという50代男性にも会いましたが、絶対に治らないと言われた肝硬変がごしんじょう療法で治り、今年6月から職場復帰している事実は、本当に励みになりました。がんからくる激しい痛みの方も、治療後は痛みが取れ、別人のように明るい表情になって帰って行く例を数えきれないほど見てきました。ごしんじょう療法はあらゆる難病の方の助けになります。そのことは、僕自身、難病中の難病とされるALSが奇跡のように回復していることからも明らかで、貴峰道に1日中いることでさらに深く理解できました」
整体の資格を取るほど治療に興味のあった島田さんは、主婦や一般の人たちがごしんじょう療法を勉強しているのを見て、「ごしんじょう療法師になれたら…」と思い始めた。そのためには、治療の仕事ができるまで回復しなければならない。だが、ごしんじょう療法の効果が想像以上に高く、実現可能な目標になっていったという。
島田さんが書く治療経過の記録にも、最初は、腕立て伏せの回数など自身の記録のみを記述していたが、7月30日には「ALSの症状が回復している。ALSには治療法はないので、だまされたと思って一度治療を受ければ必ず回復の兆しを体感できる。進行を黙って見ているだけなんて苦しい。同じALSの人がごしんじょうを受けることを願う」と、ALSに苦しむ人へのメッセージに変化。8月21日には、「週3日で6回の治療を受けて2カ月強が過ぎた。右足首に力が入るようになって、最初に比べると動かす速さと力強さを実感している。貴峰道のホームページの山田先生のコラムに出逢うことができて、本当によかった。コラムをみつけることができなかったら、今ごろはどうなっていたか。本当にありがとうございました」と、当コラムにご登場いただいたALSの山田弘医師への感謝の言葉が書かれている。
その後も、「自分と同じように、病に苦しむ人たちがごしんじょう療法で救われてほしい」と強く願う島田さんの熱い思いが記録され、その切実で思いやりの深い文章に胸を打たれる。
この記録を読み、驚くのは、文字の変化である。9月ごろからは、6月の初診時のようなヒョロヒョロした線のような文字ではない。書き出しの筆圧や、伸びやかなはらいが美しい、力強い文字になっている。右手の動きが戻っているのが確かな文字に表れているのだ。

神経と筋肉がつながり、筋肉が再生

島田さんをインタビュー取材したのは、ごしんじょう治療開始から4カ月が経過した今年10月22日。7月ごろまでの経過は症例DVDで見ていたが、10月になると、さらに良くなっていて、思わず感嘆の声をあげてしまった。
というのも、動きに左右差が全く感じられない。歯を食いしばるほど力んでもほとんど動かせなかった右足首も、力まず無理なく背屈できる。細かな素早い動作も力強い動きもできるため、腿を上げての猛ダッシュや腰を落としてから両足で高いジャンプを何回もやって見せた。さらに、空手有段者でもある島田さんは、気迫ある空手の型、そして右足を頭の位置まで上げる俊敏な蹴りまでしてみせた。
運動機能、筋力をすっかり取り戻し、もう、ALSの患者だとはだれも思わない状態まで回復している。病院で「何もできません。進行するだけです」と言われるALSだけに、現代医学では説明がつかないことだろう。

「ごしんじょう療法のすごいところは、実感が伴うことです」と島田さんが説明する。
ごしんじょう療法では、手足から邪気が出ていくことを多くの患者は手足のビリビリという感覚で実感できる。「とくに貴田先生が手から気を発して私の体を祓う時に感じる手足のビリビリはすごい」(島田さん)というが、この邪気の実感に加え、ALSを罹患する島田さんには、一般には信じられないような別の実感もあるという。
「ALSの山田先生が貴峰道のコラムのインタビューで『ごしんじょう療法を受けると、神経と筋肉が繋がる感覚が分かる』と言っていましたが、それは僕も分かります。ALSという病気は、脳の指令が筋肉に伝わらず、筋肉は徐々に壊れていきます。だからいくら足首を動かそう力んでも、動かなかったのですが、ごしんじょう療法を受けると、その場で神経と筋肉が繋がる感覚が分かる。しかも、具体的に足首が動くという事実で神経と筋肉が繋がったことを実感できるんです。この実感はすごい。本当にうれしかったです」
島田さんが治療を受ける度に感じる“体の変化”は、神経と筋肉が繋がる感覚であり、現実に筋肉が動くことでその実感が確かめられるというのだ。
そして、「ALSは筋肉の再生ができず、壊れた筋肉は元に戻らないのが常識ですが、ごしんじょう療法のおかげで筋トレができ、筋肉が再生している」(島田さん)とも。確かに、貴峰道に来たときには無くなっていた島田さんの腕や足の筋肉は今、張りのあるスポーツマンの筋肉に再生されている。

「ごしんじょう療法師」に認定!

島田さんは10月11日、奈良県吉野郡天川村にある「龍泉寺」の八大龍王大祭に参加したという。貴田師の修行に同行したいと申し出たのだ。
誤解のないように記しておくが、貴田師個人は、大峯山修験道「正大先達」であり、年に何度も大峰山での修行を重ねているが、それは貴田師個人だけのことであり、貴田師は患者さんにはもちろん、弟子にも大峯山の行を強制することはない。貴峰道は100%病治しの組織だ。ただ、修験道の聖地である大峯山の根本道場「龍泉寺」で毎年10月に開かれる八大龍王大祭は、多くの人が訪れる気迫あふれる勇壮な祭りで、貴田師は希望する患者さんを同行することもある。島田さんはこの機会を得たのである。
龍泉寺は標高820メートルという高地。境内の「龍王の滝」で貴田師先達のもと、島田さんも滝行をしたという。
「10月の滝は冷たくて本当に厳しく、耐えることに精一杯でしたが、終わってからは清々しく、気力がみなぎる感じがしました。貴田先生は勢いよく落ちる冷たい滝に打たれながら、般若心経、真言を唱え、最後に『万人の病平癒、万病平癒』と気力を込めて祈るのですが、ものすごい気迫でした。夜の八大龍王大祭は幻想的で、結界の中で燃え上がる柴燈大護摩の火の迫力に感動しました。翌朝は、天河神社を参拝し、澄み切った清らかな空間で素晴らしい祝詞をあげていただき、感動で涙が出ました。大峯山滞在中はごしんじょう治療もしていただきましたが、その直後から右足首と足の指が自在に動くようになり、僕自身も周囲の人も驚いています。ごしんじょう療法は、治療効果という結果でその力を見せてくれます。大峯山の気の力に触れて、貴田先生の気の源をより深く理解することができました」(島田さん)
八大龍王大祭が終わった夜、島田さんは貴田師から「ごしんじょう療法師」の認定を受けた。わずか4カ月前まで暗闇の中でもがいていた島田さんの人生に射した、大きな力強い光。「ALSを克服した治療家」としての人生が始まったのだ。

「絶対に治らない」のに、なぜ著効した?

「島田さんの場合、何とか自力で歩け、鍛えていたおかげで筋肉もさほど落ちていない状態で治療を受けたことが功を奏しています。詰めて継続して治療を受けたこと、それまで頻繁だった携帯使用を控えるなど電磁波被曝を減らしたことも大変重要です」と貴田師は言う。
ごしんじょう療法では、病の本質を邪気と捉え、「邪気を取り去り、正しい気の流れになれば、生命エネルギーの場が正しくなり、生命現象は正しく働き、病は治る」という貴田師が構築した「自然界の法則」のもと、難病ALSであれ、がんであれ、ひたすら正気の力で邪気を取り除く治療を行う。
「頭、体幹、末梢の邪気を取ることで、気の流れが良くなり、脳で発した情報が速やかに末梢の神経まで伝わり、筋肉の働きが向上したことも重要なこと」と貴田師は解説する。
ただ、ALSの場合、運動ニューロンは侵され、神経線維が次々と破壊され、壊れた筋肉は絶対に元に戻らない。だから病院では「何もできません。進行するだけです」と宣告されるのだ。この医学の常識を超えた未知の「自然界の法則」がごしんじょう療法で起きていると仮定しなければ、難病ALSの改善を説明できないのだ。
それに対し貴田師は「発する気の力、気の質によって遺伝子のスイッチがオンになり、脳、脊髄神経の変性、萎縮が再生新生されるという未知の現象が起きているのだと思います。ごしんじょうで死を宣告された重度の肝硬変が治り、不治の高次脳機能障害の脳を機能回復させていることもしかりです」。遺伝子の世界から「細胞の新生」という全く新しい治効理論を立てているのである。

ALS患者のため、科学的解明を

「病人にとって、病気治療は理論よりも『治る』という結果がすべてです」という島田さんだが、病に苦しむ多くの人が救われるためには、ごしんじょう療法の治効理論が解明されることを待ち望んでもいる。
「脳科学者の松本元博士の『ごしんじょう療法が開発されたことは、日本人として極めて誇りであり、科学的解明によって世界の福祉に役立てることが、我が国の責務である』という言葉の通り、本当に国がごしんじょう療法を研究すべきだと思います。少し前に氷水をかぶる『アイスバケツチャレンジ』が世界中で流行りました。集まった寄付金をALSの研究資金に充て、ALSを解明しようということのようですが、それこそ、松本先生のような世界のトップの科学者、医学者がごしんじょう療法を研究することが、ALSやあらゆる難病の人が救われる近道だと僕は思います」(島田さん)という。

ごしんじょう療法師となった島田さんは、すでに自宅で、友人知人、その紹介でくる人を対象にごしんじょう治療を始め、やりがいを感じ始めているようだ。
「先日、乳がんがリンパに転移し、抗がん剤の副作用が辛く、頭痛、吐き気、気持ちが悪いなどと訴える女性にごしんじょう治療したところ、『来た時とは全く違います。楽になりました』と喜ばれました。『万人が名医になれる』と貴田先生は言っていますが、辛いがん治療の副作用をその場で消失させることができ、本当に驚きました。ありがたいことです」と、ごしんじょう療法の治療効果に、今度は治療家として感動を覚える毎日だという。
「病気になってみなければ、その苦しみ、藁にもすがりたくなる気持ちが分かりません。僕がすがったのがごしんじょう療法で本当に良かった」と島田さん。「溺れる者は藁にもすがる」とは、困窮した時に全く頼りにならないものにも頼るという意味だ。そんな心境ですがったごしんじょう療法だったが、それは気や邪気の実感をともなう確かな療法であり、何よりも病が改善するという結果が安心感になった。結果的にごしんじょう療法は「溺れる者の藁」ではなく、「闇夜に提灯」だったことが分かり、その僥倖に島田さんの人生が変わった。
「これまでは治療してもらう立場でしたが、もう逆の立場です。ALSで奈落の底に突き落とされていた僕が、治療家として生きていける喜びは大変なものです。僕はこれから、ごしんじょう療法師として力いっぱい頑張って生きていきます」
難病ALSを抱えながら、病に苦しむ人のため、治療家として生きる島田さん。ごしんじょうという“闇夜の提灯”を手にし、絶望の淵にいる患者たちの希望の光になるにちがいない。

平成27年11月4日
久保田正子

ALS患者として当コラム『第34回 ALS(筋委縮性側索硬化症、特定疾患・指定難病) 〜病歴17年の医師、医学的に絶対あり得ない「回復」に驚嘆、「ごしんじょう療法を解明したい」〜』にもご協力いただいた山田弘医師に、上記島田さんの症例コラムを送り、ご意見を求めたところ、「症例を読んで涙が出ました」というお返事とともに、最新リポートを送ってくださいました。
自らの治効体験を踏まえ、なぜごしんじょう療法が難病ALSに効果があるのかを考察している大変貴重な報告書です。
最後の言葉に、医師としての良心があらわれています。
「すべては病人を救うため」――。
ALS患者の方、医療関係者の方に是非とも読んでいただきたく、山田医師の許可を得て、ここに全文を掲載いたします。

特別寄稿

「ごしんじょう療法がなぜALSに効くのか?」


近況報告

島田さんに何が起こったのか?コメントさせていただく前に、簡単に近況報告をします。
自身の経験を述べたコラムから大分経ちましたが、胃ろうも人工呼吸器も付けていません。
ゆっくりですが食事も可能で、僅かな距離ですが介助で歩行もしています。靴が履きにくくなるような足のむくみも今は全くありません。毎年かぜをこじらせては呼吸が危うくなるのですが、ごしんじょう療法をはじめて3年間、かぜも引かず熱も出さない記録を更新中です。ありがたいことです。
→→http://www.kihodo.com/column/34.html

ひとつ大きな変化があったのでご報告します。実は、平成12年に転倒して上腕骨を骨折した頃よりうつ状態に陥り、夕暮れ時になると強い不安発作に襲われるようになりました。
やがてALSの告知を受け、つらい日々を重ねるうちに、ベンゾジアゼピン系の精神安定剤に強く依存するようになり、1日3錠の服用が15年も続いていました。最近、ベンゾ系の精神安定剤、睡眠剤による認知機能や神経・筋機能への弊害が指摘されるようになり、安定剤の減量を何度か試みたのですが、ひどい離脱症状に見舞われて断念した経緯があります。
しかし、ごしんじょう療法を受けて3年が過ぎる頃より不安に対する心のコントロールに自信が持てるようになり、薬剤の減量に再挑戦しました。現時点で1日1錠でも不安がないため、近い将来には完全に離脱できると思います。これは、安定剤や睡眠剤に強く依存している人のみならず、うつや不安発作で苦しむ人にとっても朗報でしょう。

ALSは神経のどこに異常があるのか?

脳の命令は運動ニューロンを介して筋肉へ伝わります。脳の命令情報は、細長いニューロン(神経細胞)の内部では電気信号として伝わりますが、ニューロンとニューロンの間のシナプスという隙間ではグルタミン酸などの神経伝達物質の出入りを介して行われます。つまり、脳からの命令は物理的な電気信号と化学的な神経伝達物質との組み合わせで伝わるしくみになっているのです。もちろん、この伝達は一瞬で起こります。

ALSの患者さんの運動ニューロンは、神経伝達物質であるグルタミン酸を取り込む機能が障害され、グルタミン酸が過剰になってニューロンが損傷すると考えられています。また、家族性ALSの一部に活性酸素を解毒する酵素の異常が発見され、ニューロンにダメージを与える原因のひとつと考えられています。さらに、家族性でないALSの運動ニューロンの変性にも活性酸素やフリーラジカルなどの酸化物質が関与しているという説もあります。

ALSの治療薬として認められている経口剤のリルテックはグルタミンによる細胞毒性を抑える目的で、注射薬のラジカットはフリーラジカルによる細胞ストレスを低下させる目的で使用されていますが、満足する効果は得られていません。恐らく、グルタミンや活性酸素以外にも、複数の遺伝子異常や環境因子などが複雑に関与しているからと思われます。

iPS細胞の研究に期待される再生医療や新薬の開発は遠い道のりですが、ALSは待ってくれませんので、患者も家族も正直生きた心地がしません。

ごしんじょう療法がなぜ効くのか?

では、島田さんの症例に移りましょう。
驚きました。貴峰道を訪れたALSの患者さんには一定の改善効果が見られていますが、中でも島田さんは群を抜いています。「劇的」という言葉では足りないくらいです。

以前のコラムで、「これはイメージですが、変性して壊れかかった神経線維が何らかの理由―たとえばごしんじょうから流れる気のエネルギー―などによって再開通して筋肉に命令が達すると、筋肉が一時的に動く。でも完全開通ではないから、伝わらなくなることもある。医学では考えにくいのですが、そう考えないとごしんじょう療法の効果が説明できないのです」と書きました。島田さんの症例では、運動神経の一時的開通 → 持続的開通 → 筋力回復を思わせる現象が短期間で起きています。また、「初期のALSならもっと大きな効果が望めるのでは?」という予想が的中したと言ってもよいでしょう。患者として大きな勇気をもらい、医師としてごしんじょう療法に対する基礎研究の必要性を再認識しました。

実は、島田さんの症例を知人の神経内科医に話したところ、「治ったのなら、ALSという診断が間違っているのでは?」という答えが返ってきました。誠に残念ですが、これが専門医の常識なのです。たとえば、広範囲な脳梗塞ではニューロン本体が多数死滅するため機能の回復は困難になり、脊髄損傷ではニューロンの軸索が寸断されて両下肢の完全マヒが起こります。肝臓や末梢神経の細胞とは違い、中枢神経系のニューロンは極めて再生されにくいからです。医師には、ALS患者のニューロンは再生されないので機能回復はあり得ないという強い固定観念があるのです。

一方、最近の研究により、再生が極めて難しいとされる中枢神経でも、損傷後の神経回路の再生が活発に起こっていることが解明されつつあります。また、本来は神経回路の安定化に働くオリゴデンドロサイトという細胞に中枢神経系の回路の再生を阻止する複数の因子が確認されています。これは、中枢神経の再生には抑制がかかっていることを意味しています。もし、神経の再生を促す遺伝子が賦活されるか、あるいは抑制因子をブロックするしくみが解明されれば、中枢神経の再生も夢ではなくなるのです。
→→ http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/molneu/researchk1.html
→→ http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/molneu/research_detail03.html

以前のコラムで考察したように、ごしんじょう療法には、神経・筋の腑活、精神の安定、消炎、鎮痛、利尿、強心、免疫調節などの幅広い作用が見られます。また、進行したスキルス性胃がんの消失重症アトピーの改善ジストニアからの社会復帰末期の肝不全からの快復などの症例も含めると、ごしんじょう療法の効果は医学の常識では考えにくいものです。
→→ http://www.kihodo.com/column/01.html
→→ http://www.kihodo.com/column/10.html
→→ http://www.kihodo.com/column/25.html
→→ http://www.kihodo.com/column/35.html

東洋医学では、人体を一元的に統合・調節する「気」= 生命エネルギーの存在を想定し、「気」の停滞が様々な疾患を誘発すると考えられています。そう言われてもピンとこない人も多いでしょう。では、世の中を見てください。人の心は傷付きやすく、ひどく不安定になっています。職場でうつ病が増え、学校で陰湿ないじめが横行し、家庭でも暴力や虐待が後を絶たず、すぐキレる人が目立ちます。心だけではなく、アレルギー疾患が激増し、がんや原因不明の難病が増え続けています。今、一体何が起きているのでしょうか?

環境汚染、食物中の化学物質、異常気象、家電やスマホの電磁波、極端なストレス社会、ネットを駆け巡る悪いニュースなど、すべてが悪い「気」となって人間の心身にダメージを与え、病気を誘発すると考えてください。特に日本の電波環境は世界的にも最悪で、我々は電波の海で泳いでいるようなものです。そこで、邪気を取って「気」の停滞を是正し、生命現象を正しく働かせて病気を治す、これがごしんじょう療法の基本的な考え方です。病状や疾患に対して治療を行う西洋医学とは大きく異なり、人間に本来備わった潜在的な自然治癒力を引き出す強力な自然療法と考えてもよいでしょう。現代医学はエビデンス(科学的根拠)にもとづいていますが、ごしんじょう療法は自然の節理に従っているのです。
→→ http://ameblo.jp/suzuki-iin2/entry-11516878265.html

以上を踏まえると、次のような考えが浮かんできます。
ALSの病状が改善されるためには、
1.過剰なグルタミンやフリーラジカルを抑えてニューロンの損傷をストップさせる
2.損傷ニューロンの再生を直接賦活する
3.ニューロンの再生を妨げる因子を抑制して再生を促す
ことが必要になります。そこで、ごしんじょう療法によって生命現象が正しく働き、その一環として上記の3要素が含まれると仮定すれば、ニューロンの再生 → 筋力の回復という構図が見えてきます。そう考えないと島田さんに起こった現象の説明がつかないのです。但し、ごしんじょう療法にはごく短時間(例えば1回の施術)でも効果を表すという特徴がありますので、ニューロンの軽度な損傷を修復するといったプロセスも考慮すべきかもしれません。いずれにせよ、基礎医学者と専門医も含めたプロジェクトチームの立ち上げが先決でしょう。

終わりに

一般の医師や研究者にごしんじょう療法の効果を説明することは容易ではありません。東洋医学に関わる人なら「気」の力をごく自然に考えますが、現代医学はエビデンスを最優先するため、科学で解明できない「気」の概念を認めること自体に大きな抵抗があるのです。

ドイツで発達した振動医学は「気」の滞りの改善を目指す治療医学であり、大規模な研究施設があります。西洋のドイツで東洋の「気」の流れを真正面から研究し、日本の西洋医学では「気」の存在すら認めないというのも皮肉な話ですね。

しかし、病気は患者を待ってくれません。がんや難病で苦しむ患者さんにとって、短時間で効果が得られるごしんじょう療法はまさに天の救いであり、暗闇に射し込む一条の光なのです。西洋医学で足りない部分はどんな分野からでも吸収しようとする柔軟な姿勢が、現代の医療に求められています。すべては病人を救うためです。

平成27年11月13日

医師 山田弘