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電磁波の健康被害
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電磁波の健康被害

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電磁波問題で「電力会社は被爆を軽減する施策を」などの勧告(ラピッド計画最終報告書)が出る!!

「重要な勧告文が全く報道されていない」

ラピッド計画(EMF・RAPIDプログラム)は、92年10月にスタートした官民一体のプロジェクトである。予算は総額約6000万ドル。内訳はNIEHS研究費1400万ドル、政府支出2300万ドル、エジソン電気協会・米国電気産業協会・米国電力協会・電力研究所などの支出約2300万ドルとなっている。
ラピッド計画の目的は、70年代から続いてきた送電線・配電線などからの電磁波(場)の人体への影響を巡る論争に決着をつけるためである。
最終報告書では、調査の「結論」に加えて「勧告」を記載しているが、日本で報道されたのは、「被爆がどんな健康被害も引き起こすのを示す科学的な根拠は弱い」「他のガンやガン以外の現在関心の高い健康問題に充分な証拠があるとは信じ難い」などという結論のみである。
だが電磁波問題を研究している京都大学工学部の荻野晃也博士はこういう。
「日本の一部で報道されたものだけを見れば、『電磁波の影響は弱い』とだけの印象を持った人が多かったはずです。しかし、あれは、本文を要約したものをさらに要約したプレス声明文だけで記事を書いたのだと思います。報告書本文の結論には『人間のデータは"正当な"ものであり、"実際に生活している"場所での被爆であるので、無視できないいくつかの一致性が見られる』『2つのガンの場合に相関が見られ、小児白血病と職業人の慢性リンパ性白血病である』『被爆が白血病の原因になるかもしれないとの弱い科学的証拠があることから、被爆が完全に安全だと認めることはできない』などとあるわけです。
この本文には実は、もっとも重要な勧告文も記載されているんですが、それもプレス声明文には具体的なことは入ってませんから、まったく報道されていないんです」

日本にとってはとりわけ重要な意味が

このラピッド最終報告書の勧告は、世界でも例を見ないほど送電線の下に民家や公共施設が密集している日本にとって、とりわけ重要な意味を持っているのである。
勧告分は次のような内容になっている。
「積極的に規制行為をするほど充分な事実認定はできなかった。
しかし米国民すべてが実際に電気を使用し被爆を受けているので、間接的な規制行動、例えば国民や規制当局が被爆低減を目的とするような教育をし続けるように支援されるべきである。
電力会社は被爆を軽減するよう電力線用の土地を選定する現在の施策を継続して行うべきであり、また、新たな危険をつくり出すことなく送電線・配電線周辺の磁場発生を軽減する手段の開発を継続して行うべきであるということを提案する」
荻野博士によると、米国の市民グループの中には、このラピッド最終報告書に基づいて、「米国政府は送電線を動かせ」と要求しているところも出てきているという。
日本でも、電磁波の人体への影響を追求している「高圧線問題全国ネットワーク」が、いち早く行動に出た。
去る7月10、11日の両日、東京電力の大規模変電所建設計画に揺れる神奈川県湯河原で、全国で高圧送電線建設や携帯電話タワー建設に反対する住民ら200人近くが参加して、第7回全国大会を開催。そこで、ラピッド計画最終報告書に基づき、「電力会社は被爆の低減を」の緊急アピールを行ったのである。

幼稚園、小・中学校の上の送電線に対策を

では、日本の電力各社は、このラピッド計画最終報告書を、どうみているのだろうか。電力業界を代表する形で電気事業連合会では次のように話す。
「私どもでは、ラピッド計画最終報告書の結論は『電磁波はガンを引き起こす結論を導くには弱い。完全に安全であるということはないが、健康に影響を与えることはない』というように理解しています。したがって、電磁波は健康に影響はないという、従来のスタンスは変えません」
これに対して、高圧線問題全国ネットワークの懸樋哲夫事務局長はこういう。
「全国で高圧線の敷設に反対する運動が起きていますが、以前から電磁波の人体への影響をいうと、逆に送電線を近付けるようなことを電力会社はやっており、電磁波被爆の低減などまったく考慮していません。そうした対応を電力会社は今後も変えないということなので、住民の不安は強くなる一方ですよ」
電力会社が「電磁波は健康に問題ない」という立場を崩さない以上、住民運動で電磁波からの害を防ぐしかない。
とりわけ、早急に対策を取る必要があるのが、すでに、全国の幼稚園、小・中学校の上を走っている送電線の問題である。細胞分裂のもっとも盛んな子どもたちが毎日、5時間も6時間も電磁波を浴びているのである。白血病、ガンの死亡者が全国平均を大幅に上回る大阪・門真市のある幼稚園など、園内の真上に送電線が通っており、蛍光燈を手にかざしただけで、こうこうと点灯してしまうほどだ。

文部省も「よいこととは思っていない」というが

「公的な用地・施設の上の方が簡単に送電線を通せるというので、全国で学校の上を送電線が走っています。そのため、最低の安全ラインともいえる0.1ミリガウスを超えて被爆をしているところがたくさんあります」(前出・荻野博士)
東京・小平市立上宿小学校も電磁波にさらされている小学校のひとつである。上宿小の敷地内には27万5000Vの送電線が通っている。毎日、子どもたちは、その真下を通って校舎に入っていく。雨上がりなどは、送電線の下ではジージーと音がする。送電線の下では8ミリガウス、送電線に近い6年生のある教室では7.4ミリガウスの電磁波が測定された。
こうしたことから、同小学校では、父兄や先生が一体となって「疑わしきは使用せず」ということで、一昨年から、送電線に近い6年生の1教室を空き教室にすることにしたのである。
文部省でも「高圧線などが学校の近くを通ることはよいこととは思っていない」としているが、全国に数多くあるのが現実である。
まず、こうした運動を盛り上げることが電力会社の対応を変えることにつながるはずだ。
前出の荻野博士によると、ラピッド計画の最終報告書の勧告である電磁波の被爆の低減化を図るには、(1)鉄塔を高くする (2)地下化する (3)建物から離す―などで充分対応できるという。
また、高圧線問題全国ネットワークの懸樋哲夫事務局長はこう指摘する。
「今年8月から科学技術庁で全国的な電磁波の影響を調べる疫学調査が始まりましたが、少なくとも、その結果が出るまでは新規の送電線の計画は凍結すべきです」

郡司和夫(フリーライター)
(『生活と自治』 1999年10月号)