動画で見る、ごしんじょう療法とビリビリジンジン体操
コラム
電磁波の健康被害
貴峰道へのお問い合わせ
お知らせ

ごしんじょう療法を行う治療院、施術所は全国各地にありますが、本療法は習得度によって治療効果に大きな差があります。中には高額の施術料を請求している施術所もありますが、貴峰道とは一切関係ありませんのでご注意ください。地方で施術を受けたい方は、必ず貴峰道にお問い合わせください。

電磁波の健康被害

貴峰道 > 電磁波の健康被害 > 雑誌 記事

生誕百年 元主治医が明かす 川端康成は「電磁波自殺だった」

「お寒くなりましたですね。電気毛布を入れてございますが、ダブル用で、スイッチが二つついておりますから、お客さまはお客さまのお好きな温かさに合わせていただきます。」
「電気毛布なぞ使ったことがないね。」
「おいやでしたら、お客さまの方のは消していただいてよろしいんですけど、女の子のほうのはつけておいてやっていただかないと・・・・・・。」

川端氏が1960年に発表した中編『眠れる美女』の一節である。ここでは主人公に「使ったことがない」と言わせているが、実は、作者の川端氏にとって電気毛布は「必需品」だった。
「ええ、鎌倉のご自宅ばかりか四谷の旅館や京都の仕事場にも持ち込み、『あったかくて気持ちがいい』と愛用していらっしゃいました」(中央公論社で川端氏担当の編集者だった伊吹和子さん)
ところが――。
その電気毛布こそが川端氏の自殺の原因を作った、という衝撃的な説が飛び出してきた。しかも、語っているのが川端氏の元主治医というから驚きである。
その人、栗原雅直氏(69)は虎の門病院精神科部長、大蔵省診療所長などを歴任し、現在は同診療所チーフカウンセラーを務める。何はともあれ、耳を傾けてみよう。
「電気毛布からは、強い電磁波が出ています。その電磁波が川端さんの脳に働いて不眠症の悪化やうつ状態を引き起こし、自殺の引き金になったというのが私の見解です」
電磁波とは、電線に電気が流れたときに生じる、電界と磁界の絡み合った波のことだ。送電線やあらゆる家電製品から放射されているが、問題は人体への影響だ。欧米では、電磁波が強いほど白血病やがんの発生率も高くなるとのデータが次々に発表されており、最近は携帯電話から出る電磁波と脳しゅようの関係も取りざたされている。

ホルモン低下で不眠、パニックに

では、電気毛布の場合、その電磁波はどのくらいのレベルなのか。
医事ジャーナリストの小山寿氏が、体にかけたのと同じ状態、つまり距離ゼロで測定したところ、メーターの針はあっさり振り切れた。
「電気毛布からは20ミリガウスから、多い場合は100ミリガウスもの電磁波が出ている。欧米では、わずは2、3ミリガウスでも継続的に浴びれば悪性しゅようや白血病の発生率が数倍になるというデータもある。家電製品の中でも、電子レンジやテレビとともに最も注意すべきものの一つです」(小山氏)
強力な電磁波と自殺。そこには一体、どんなメカニズムが働いていたのか。
栗原氏が続ける。
「不眠症には自殺願望をかきたてる性質があるのですが、晩年の川端さんは昼夜が逆転してしまうほど重い不眠症になっていました。ところで、睡眠のリズムを形成しているのは脳の中心部にある松果体から分泌されるメラトニンというホルモンです。実は、このメラトニンが、電磁波を浴びると減ってしまうのです。睡眠のリズムが狂ったのは、おそらくそのせいでしょう」
メラトニンには、成長ホルモンの分泌を促して老化を抑える働きもある。だとすれば、電磁波は川端さんから眠りを奪い、さらに若々しさをも奪ったことになる。
電磁波の害を訴え続けている京大工学部助手の荻野晃也氏も、
「電磁波を浴びるとメラトニンが減ることは、動物実験などで明らかにされています。もともとメラトニンは年を取ると減るものですが、それが電気毛布によって促進されて体に変調をきたした、ということは十分に考えられます」
さらに栗原氏によれば、川端氏はノーベル賞受賞後に多忙を極めたこともあり、かなり疲れていた。そこに、電磁波によって引き起こされたうつ症状が重なり、精神的パニックに陥ったのではないかというのである。
「私の勤める大蔵省でも、パソコンなどのOA機器から出る電磁波の影響で軽いうつ状態になったり、パニックに陥るというケースが出ている。同じことが川端氏にも起きていた可能性は高い」
実は、このうつ症状についても、電磁波との関連をうかがわせる実験データがある。
人がうつ症状になるのはメラトニンと同じく松果体から分泌されるセロトニンというホルモンが減るためだが、ニューヨーク州衛生局のリチャード・シーガル博士らがサルに電磁波を浴びせたところ、せき髄液中のセロトニン量が減少し、照射をやめても、正常値に戻るまで数カ月を要したというのである。
このようにして、強力な電磁波を浴び続けるうちに不眠症やうつ症状、老化が徐々に進行し、ついには「老いの喪失感」が川端氏を覆い尽くして死に至らしめた――。
以上が栗原氏の描く「川端康成・自殺へのシナリオ」の全容である。
もちろん、検証などは不可能だし、栗原氏も「電磁波は自殺の一因に過ぎない」と断っている。
ところで、現在も電気毛布を製造しているメーカーは、電磁波の影響をどう考えているのだろうか。
「国内外の疫学的な研究を見ても、人体に影響ありとは結論づけられていない」(松下電器産業)
「微弱な電磁波が人体に影響を与えるとは言えない、との電気学会の見解に当社も追従している」(日立製作所)
実際の電磁波の量は両社とも明かさなかった。前出・荻野氏によると、米国では90年代初め、乳がんと電気毛布の関係が指摘され、メーカーの技術改良で電磁波は劇的に減ったという。その「感度」の違いには驚くほかない。
電磁波の健康論議にも一石を投じそうなこの「主治医の見立て」、川端ファンならずとも気になる話である。

平野幸治
(『サンデー毎日』 1999年7月11日号)