第20回 電磁波過敏症〜めまい、難聴、片頭痛、白内障の症状が改善〜
頭痛やめまい、動悸、発汗、目の疼(うず)き、皮膚の炎症など、さまざまな症状を生じさせる「電磁波過敏症」。現代医学ではこれといった治療法がなく、対症療法で各症状の緩和を目指す治療のみが行われているが、ごしんじょう療法では、邪気(過剰な電磁気エネルギー)をひたすら抜いていくことで、劇的に全体の症状を改善させている。
増える病名「突発性難聴」「メニエール病」「若年性白内障」…
事務職の大下有美子さん(仮名、56歳)は平成18年4月のある日突然、左耳が全く聞こえなくなり、病院で「突発性難聴」と診断された。
「早期に治療すれば、症状が改善する可能性が高い」
医師に言われ、2週間入院してステロイド剤の点滴治療を受けた。しかし、左耳の聴力は一向に戻らない。その後も高圧酸素療法などのいくつかの治療法を試してみたが、高音が少し聞こえるようになっただけで聴力は元に戻らなかったという。
実は突発性難聴を発病する数年前から、大下さんの全身の不調は始まっていた。大下さんはいう。
「突発性難聴になった時にメニエール病と診断されました。その2年前からめまいが本当にひどくて、朝昼晩、自分がどこにいるのか分からず、宇宙の中を漂う感覚でした。日常的な片頭痛にも苦しんでいました。仕事は毎日パソコンを使用するデスクワークなのですが、常時、首や肩のコリがひどく、とくに左耳の下がカチカチに固くなり、首が自由に曲がらない状態でした。若年性白内障も発症し、疲れるとボワーッとしか物が見えなくなっていました」
重度のめまいと頭痛だけでも辛いのに、その上、難聴と視力低下。病院で検査する度に大下さんの病名は増えるばかりだった。薬は増えるが症状は改善されず、体調は悪化する一方だったという。
「私はこのまま廃人になってしまうんじゃないか」――。
極度の不安に襲われる日々を送っていた時、知人に貴峰道を紹介され、平成19年3月23日、大下さんは初めてごしんじょう療法を受けたという。
めまいと頭痛は治まり、聴力も即回復
「最初の治療から、この治療法は違うと直感しました。治療を受けている間、ピチピチッと手の先に邪気が出ていく痛みがあり、治療後はとにかく体が軽くなりました。1度の治療後に何年間も苦しんでいためまいと頭痛が治まったので、その治療効果に感動し、毎週1回のペースで治療に通うようになったのです」
数回の治療後には耳が聞こえるようになった。
ステロイドによる点滴治療などあらゆる治療で効果なく、発病から数か月経過している突発性難聴は、通常、治ることはまずない。ところが、発病から半年後の病院の検査で、聴力が完全に戻っていたことが確認され、耳鼻科医が「信じられない」と驚いたという。
白内障はまだあるが、目の見え方がクリアになり、細かい字が鮮明に見えるようになった。そして意外なことに、改善の期待を全くしていなかった老眼が治ったという。
「ごしんじょう療法では、邪気が体から抜け出る感覚がすごく良く分かるんです。体調がすごく悪い時などは、強烈にビリッと感じたり、カミソリの刃が手足からシャッと出るような鋭い感覚があったりして、その後はすごくスッキリします。大量に邪気が出たことを実感できるんです。それはすごい感覚ですよ。この感覚は体験しないと分からないと思います」
「カミソリの刃」とは想像もできないが、よほど大量の邪気が抜ける感覚なのだろう。
治療の度に貴田晞照師から「電磁波が原因ですよ」と言われていた大下さんは、実感できる邪気が電気的なものだと分かることから、生活の中の電磁波を少しずつ意識するようになったという。
電磁波避けた結果、郊外への引っ越しも
そんな中、大下さんは書店で「電磁波過敏症」の本を見つけた。
「どの症状も私に当てはまる」と思い、大学病院で検査を受けると、予測通り、電磁波過敏症との診断を得た。メニエール病、突発性難聴、片頭痛、さらには若年性白内障までも、すべて自律神経失調症を伴う電磁波に対する反応という医師の所見だった。
電磁波過敏症と診断されると、大下さんには、思い当たることがいくつも出てきたという。
「鉄塔や携帯基地局に近づくと、きれいな水に墨汁を垂らすように頭がボワンと重たくなり、胸が苦しくなるんです。電車に乗ると、途端にめまいが激しくなります。ハイブリッドカーに乗車した時は、咳がとまらなくなり、声が出なくなったこともあります」
それまでなぜそうなるのか分からなかった大下さんの症状は、すべて電磁波に対する反応だということで腑に落ちたという。
では、電磁波過敏症にどう対応すればいいのか。
大下さんは大学病院の専門医に尋ねたが、「とにかく電磁波を避けるようにしてください」という回答だった。そこで電磁波を避ける生活を考えた時、自宅の環境に大きな問題があることに気づいたという。
大下さんの自宅は、東京タワーやテレビ局に近く、目の前に新幹線が走り、周囲は携帯基地局だらけというタワーマンションで、最先端設備のオール電化。しかし思い起こせば、そのタワーマンションに引っ越してから、体調が悪くなっていたのだ。
できるだけ電磁波を使わない生活をし、鉄塔や携帯電話基地局を避けた場所で生活したいと考えた結果、大下さんは平成22年2月、千葉県に引っ越すことになった。必要最低限の家電は使うが、寝室の位置など、できるだけ電磁波の影響を受けない生活が送れるよう、配電や部屋の間取りを工夫したのだという。
家電の電磁波は強い
電磁波を避ける生活とごしんじょう療法によって、いま、大下さんは電磁波過敏症の症状がひどくならない生活を送っている。
例えば、仕事で使わざるを得ないパソコンなどの電子機器は電磁波対策をしているメーカーのものを選び、テレビや冷蔵庫などの家電にはできるだけ近づかず、キッチンや洗面所などから離れたところに洗濯機を置いている。
それでも電磁波は完全に避けられず、家電に触れた場合や外出先では症状が出てしまう。そんな時はごしんじょう療法が欠かせない。毎週の貴峰道での治療のほか、毎日、ごしんじょうを手にして自分の体のあちこちを擦り押して、邪気を追い出し、症状を抑えているという。
「電磁波を受けると体が反応するので、電磁波の強さは分かります。私の感覚でいえば、家電の電磁波は本当に強いですよ。中でも洗濯機の電磁波はとくに強いです。エアコンの室外機も強いですね。前の家では、リラックスするはずのお風呂場のすぐ隣に洗濯機があり、リビングのソファーの近くにエアコンの室外機がありましたから、体調が悪くなるはずです。そのほか、トイレの電気便座も相当強いですが、シュレッダーもコピー機も強いですよ」
電磁波に過敏に反応する大下さんだからこそ説得力がある。過敏症でない人でも、できるだけ使用中の家電には近づかない方が賢明だろう。
大下さんのように、自宅を郊外に引っ越し、電磁波を避けるよう心掛けていても、現代人は100%電磁波を避けることは不可能なのが現実だ。地球上には24時間、衛星や携帯電話、テレビなどの電波が飛び交い、我々の体の中を常に電磁波は光の速さで突き抜けているからだ。
しかしだからこそ、大下さんはごしんじょう療法の必要性を訴える。
「電磁波過敏症に有効な治療法はないと専門医は言いましたが、ごしんじょう療法こそ世界で唯一の電磁波過敏症に有効な治療だと思います。現に、体調が辛い時、ごしんじょう治療を受けると、電磁波などによって体内に溜まった邪気が手足から放出されることを実感でき、あらゆる症状が改善するのです。ごしんじょう療法に出合っていなかったら、電磁波過敏症の症状をとるために薬漬けになり、本当に廃人になっていたかもしれません」
「電磁波時代の究極の療法」
電磁波は目に見えない。電磁波の人体への影響について、日本ではあまり話題にならない。だから多くの日本人が、大量の電磁波を出している電子機器に無関心だと大下さんは指摘する。
「私は過敏症になったことで電磁波を意識するようになりましたが、日本は電磁波対策の先進国である欧米と違い、ほとんどの人が電磁波に対する知識がありませんよね。知識がないから、みんな鉄塔や携帯基地局が見えていないんですよ。鉄塔や基地局のそばに住宅や学校がある風景は当たり前になっていますが、そのような環境で子供が育つことは非常に危険だと思います」
今年5月、世界保健機関(WHO)の専門組織「国際がん研究機関」は、携帯電話が発する電磁波で脳腫瘍にかかる危険性が限定的だが認められるとの見解を発表し、そのことが日本のメディアでも報道された。電磁波の健康被害について、ようやく一般の話題にのぼるようになってきたが、大下さんにしてみれば、まだまだ認識が甘いという。
「私の場合、電磁波過敏症であることが判明するまで、単にメニエール病や突発性難聴などと診断されていましたが、更年期障害や自律神経失調症、うつ病や不整脈などと診断されている場合でも電磁波が大きな原因のことがあると思います。ほとんどの病院で電磁波過敏症に対する知識がないからです。なかなか改善されない症状に苦しんでいる人たちの中に、実は電磁波過敏症という人は多いと思います。原因不明の疾患やなんとなく体調がすぐれないという人は増えていますが、みんな電磁波の影響を大なり小なり受けているんです」
そして、大下さんはいう。
「ごしんじょう療法は電磁波時代の究極の療法です。電磁波の人体への害を取り除くという意味だけなく、ごしんじょう療法によって邪気を実感でき、目に見えない電磁波の害を実感できるのです。電気に依存し過ぎて健康を害している現代人の意識を変えるため、ごしんじょう療法が世界に果たすべき役割は極めて大きいと思います」
電磁波の問題を考えながら生活する大下さんだからこその提言である。
放射線は最悪の電磁波
電磁波の健康被害について、貴田師に話をきいた。
「ごしんじょう療法を実践すると、電磁波が強い邪気(過剰な電磁気エネルギー)を生じさせ、甚大な健康被害を与えているということを実感します。電磁波を強く浴びている人は、取っても取っても邪気が身体の中から湧いてきて、手足から電気のようにビリビリと邪気が抜けていくのが実感できます。それほど多く帯電しているのです。邪気が身体に溜まれば、生命エネルギーの場が異常になり、細胞や遺伝子の働きにも誤作動を起こし、痛み、炎症、腫瘍などの病が生じます。現代科学は電磁波の影響による疾患として、子供の白血症や電磁波過敏症などを指摘していますが、私の治療経験からすれば、花粉症から癌までありとあらゆる病気に電磁波の影響があると思います」
いま、福島第一原発の事故により、放射線被害について話題になることが多い。いうまでもなく、放射線は電磁波の一種である。
大下さんのように電磁波の健康被害についての認識が高い貴峰道の患者の中には、放射線による健康被害を抑えようと、ごしんじょう療法をこれまで以上に実践するという人が増えている。
それについて貴田師は「ごしんじょう療法は、抗がん剤治療、放射線治療のほか、CT、MRIなどで受けるさまざまな副作用を軽減することで、多くのがん患者の方の助けになっています。電磁波の中でも最悪の電磁波である放射線被害においても、ごしんじょう療法は何より助けになると日々の実践から確信しています。すでにごしんじょうをお持ちの方は、ご自身に対して、またご家族の方に対して、日々使用することが、電磁波や放射能から身を守る何よりの健康法です。ごしんじょうをお持ちでなくても、貴峰道では自分の手で実践できる方法を教えていますので、実践すれば必ず一助になります」と話している。
平成23年8月5日
久保田正子