携帯電話の電磁波による腫瘍リスクはこれまでも一部では指摘されていたが、発症までの潜伏期間が長いためか、問題視されることはなかった。しかし、世界中で携帯の10年以上の長期使用者が増えた今、状況は変わった。欧州などで最近、「長期使用すると腫瘍リスクが高まる」との調査結果が発表され、米国では「携帯によって脳腫瘍になった」とする訴訟が相次いでいるのだ。
筆者が取材した携帯電話と腫瘍の関係を調べているイスラエルの疫学者は、「携帯電話が人体に無害だと言い切れる時期は過ぎた。害を及ぼす可能性があるのです」と話した。このままでは日本でも近い将来、腫瘍患者が急増する可能性がある。携帯電話の"そこにある危険"を追った。
2008年5月末、米CNNテレビは携帯が発する電磁波の危険性について触れ、「携帯使用と脳腫瘍の関連を示す研究と、そうでない研究があり、誰に聞くかによって結論が違ってくる」と報じた。それから「問題はこうした調査の内容が十分といえるのか、対象は子供たちなのか、使用期間が長い人間なのかなどです」と指摘し、聴神経腫患者のMRI画像を示した。耳の奥に腫瘍ができ、赤く変色していたが、いつも携帯を押しあてているところだけに衝撃的だった。
米国では最近、携帯電話から発生する電磁波の健康リスクに関する報道が増えたが、その背景には相次ぐ訴訟などによる人々の関心の高まりがある。
ルイジアナ州とペンシルベニア州における訴訟の代理人を務めるマイケル・オルウェイス弁護士は、筆者の取材にこう言い切った。
「携帯電話を頭に近づけるのは、頭を放射線にさらしているのと同じで、重大な公衆衛生の問題です。携帯の電磁波は脳腫瘍などの悪影響を及ぼすとの調査結果が出ています。業者は危険性を認識していながら消費者に伝えず、安全対策を怠ってきたのは明らかです」
「頭から湯気が出ている」
米国で携帯使用と脳腫瘍の関連を認めた判決が最初に出たのは、約三年前(05年5月)。筆者はその原告、シャレーサ・プライスさん(49歳)に話を聞いたが、その闘いはすさまじいものだった。
カリフォルニア州北部のケルシービルに住むプライスさんは1996年8月、市内の携帯電話販売店「ACS」で働き始めた。店長と従業員三人の小さな店だが、携帯電話、双方向無線機の販売・修理など幅広く事業を展開していた。彼女の仕事は携帯購入者への設定サービスで、毎日三、四時間携帯を使った。しかも職場には電波発信試験装置が設置され、大量の電磁波が放出されていた。プライスさんは、体に異常を感じたのは勤務してまもなくだったと話す。
「あの頃は電磁波の危険などまったく頭になかったので、一生懸命働きました。優秀社員として表彰されたこともあります。でも半年くらいで体に異常が現れ、金属類に少し触れただけでパチパチッとすごい静電気が起こり、体中に痛みが走ったんです。元々静電気が起こりやすい体質だったのですが、それが急激に悪化したようでした。それから頭痛や目の痛み、吐き気などに苦しめられ、夜も眠れなくなりました。とくに携帯をあてていた側の左目が締めつけられるように痛くて」
彼女は眼科医へ行き、たまった膿を取り除き、痛み止めをもらった。医師には電磁波のことは話さなかったが、何か異常を感じたのか病院で精密検査を受けるようにすすめられた。だがその後二年近くの間、病院に行かずに仕事を続けた。
そしてある日、何気なく左耳の後に手をあてると、異常に熱くなっているのに気づいたという。
「驚いて、娘に見てもらうと、"頭から湯気が出ているみたいだよ。"と言われた。あの瞬間、自分の体に恐ろしいことが起こっているのではないかという不安に襲われました。その二週間後(99年2月)に、仕事中に発作を起こして病院に運ばれ、脳腫瘍と診断されたのです。
それは頭蓋骨のなかの脳を包む膜にできた脳膜腫だった。プライスさんは、二度の手術で腫瘍を摘出したが、その後も治療のために会社を休まなければならず、99年12月に解雇された。
彼女は脳腫瘍の診断を受けた後、「職場で大量に電磁波を浴びたのが原因ではないか」と疑い、労災補償を申請した。が、労災専門の保険会社からは、「脳腫瘍と携帯電磁波の関連は不明」として却下された。
99年9月、彼女はその保険会社を相手取って労災補償を求める訴訟を起こした。しかし、弁護士を雇う余裕はなく、米国中の法律・消費者団体などに相談したがうまくいかなかった。夜ベッドに入ると悔しくて涙が止まらず、眠れない夜を何度も過ごしたという。でも、あきらめなかった。そして一年半後、ようやく無償で引き受けてくれるカール・ヒリヤード弁護士をみつけた。
カリフォルニア州の消費者権利擁護団体「ワイヤレス消費者同盟(WCA)」の代表を務めるヒリヤード氏は、すぐれた弁護士だった。とくに、医療裁判経験が豊富で電磁波の有害性に詳しい南カリフォルニア大学病院のナフマン・ブラウトバー博士に証言を依頼したことは裁判を有利にした。ブラウトバー博士はプライスさんの診断記録や職場の状況などを詳しく調べた上で、「電磁波が脳腫瘍の原因と考えるのが合理的である」との報告書を作成し、判事に提出。これが決め手となり、05年5月、判事は原告側の訴えを認める判決を下した。保険会社に医療費、その他経費など三万ドル(当時のレートで約320万円)の労災補償支払いを命じたのだ。
こうして裁判には勝ったが、彼女は今でも脳腫瘍再発の不安におびえ、発作止めの薬を飲み続け、目の障害にも苦しめられている。
プライスさんは最後にこう話した。「脳腫瘍になれば経済的負担だけでなく、健康な生活を失う苦しさを強いられる。それまで当たり前のようにしていた、ものを見たり、聞いたり、感じたりする機能が損なわれ、突然の発作に苦しめられるのです。携帯を安全と信じて使っている人は、そのような人生を送らなければならなくなった自分の将来の姿を想像してほしい」
訴えられる携帯電話会社
労災認定訴訟とは別に米国では現在、人的損害や消費者保護法違反などを理由とした携帯の電磁波に関する訴訟が数十件起こされている。
米携帯電話大手モトローラの元社員、マイケル・ムッレー氏は93年に携帯を使い始め、99年に脳腫瘍の手術を受けた。仕事でもプライベートでも携帯を多用していたため、脳腫瘍との関連を疑った。そして01年11月、「自分が脳腫瘍になり、家族にも大変な負担を強いることになったのは携帯の電磁波が原因だ」とモトローラ社を相手取り損害賠償を求める訴訟を起こした。ムッレー氏は手術後に抗がん剤治療などを続けたがその甲斐もなく、02年に亡くなり、彼の妻が訴訟を引き継いだ。
米国人というと、「何でもすぐに訴える」イメージを持たれがちだが、携帯をめぐる訴訟に関しては違う。悲惨な状況に追い込まれた末に訴える者が多いのだ。しかも後述するが、携帯による電磁波の安全性は科学的に証明されていないどころか、危険性を示すデータが次々に出ているのである。
ムッレー氏の訴訟で争点となったのは、消費者保護法などの州法規定か、それとも連邦通信法(FCA)を適用するかだ。被告の携帯会社は連邦通信法の基準を守ってさえいれば、健康被害などが起きても法廷で争えないと主張したのだ。一方、原告側は、「健康リスクに関する連邦法の基準は不十分なので、州法規定を適用すべきだ」と主張した。
07年8月、ワシントンDCの裁判所は携帯電話会社の主張を認める裁定を下した。原告側は、「連邦法の規定内ならば、消費者が健康被害を受けても訴訟を起こせないとするのは不合理だ」と控訴し、現在も係争中だ。
ムッレー氏側の代理人を務めるジェフリー・モルガンロス弁護士は他に携帯電磁波訴訟を五件かかえるが、いずれも"連邦法の専占(優先)"に阻まれているという。これらの原告も皆、ヘビーユーザーだった経験をもつ脳腫瘍患者だ。
モルガンロス弁護士は、「原告側の主張は医学的にも法的にも説得力があり、手続き上の争いをクリアして本審理に持ち込めば勝算は十分ある」と話す。しかし、裁判所は「携帯使用が脳腫瘍の原因になったのか」の審理を行わないまま、原告側をいわゆる"門前払い"しているのだ。
このように携帯会社を相手取った訴訟は、労災認定よりもハードルが高い。しかも"連邦法の専占"を突破しても、新たな障害があるという。前出のヒリヤード弁護士は、「携帯業界は、高名な科学者を法廷に送り込み、"携帯使用と健康被害の関連はない"と証言させるだろう。また、逆の証言をする科学者に圧力がかかることも予想される。それはたばこ産業に対する訴訟でも起こりましたから」と指摘する。
もしたばこ訴訟のような経過をたどれば、携帯電磁波訴訟の原告が勝利するまであと五年か十年ぐらいはかかることになる。
通話量増で腫瘍リスクが増す
携帯業界の思惑とは逆に、最近携帯電磁波の危険性を示すデータが次々と発表されている。
07年12月、イスラエルで携帯使用者の腫瘍リスクに関する衝撃的な調査結果が発表された。イスラエルでは世界でも比較的早く80年代末に携帯が使われ始め、ヘビーユーザーが多いことでも有名だ。
テルアビブ大学疫学部のシーガル・サデツキー博士の率いる研究チームが、耳下腺腫瘍と診断された患者460人(症例群)と非患者1,300人(対照群)を調査したところ、携帯電話を頻繁かつ長時間使用する人の腫瘍相対リスクは約1.5倍高かったという。耳下腺は唾液の分泌をつかさどる唾液腺で、携帯の電磁波を多く曝露する(浴びる)部分である。
サデツキー博士の研究チームは症例群と対照群の人たちに携帯電話の使用開始時期、使用継続期間、平均通話回数・時間、防護器具使用の有無、頭部のどちら側に携帯を押しあてるかなどを細かく質問した。その結果、日常的な携帯使用者は通話回数・時間が増えるにつれて、腫瘍リスクが高まることがわかった。たとえば、累積通話回数が5,479回以下では変化は見られなかったが、5,480〜1万8,996回の人は耳下腺腫瘍リスクが1.48倍に、1万8,997回以上の人は1.51倍に増加した。また累積通話時間では、1,035時間を超えるとリスクが1.5倍高くなった。
この結果は07年12月の『米国疫学ジャーナル』誌で発表されたが、結論としてこう述べられている。「これだけで結論を導くことはできないが、少なくとも携帯使用と耳下腺腫瘍に関連があることを示している。その確証を得るためにも、長期使用者を多く含めた調査が必要だ。それがはっきりするまで、携帯使用者は防護策を取るべきである」
サデツキー博士によると、イスラエルではこの調査発表後、イヤホンマイクなど防護器具を使う人がずっと増えたという。
また、スウェーデンのカロリンスカ研究所が聴神経腫患者148人と非患者604人を対象にした調査では、十年未満の携帯使用者には腫瘍リスクの高まりは見られなかった。しかし、十年以上の使用者で携帯を押しあてる側に腫瘍を発症するリスクは3.9倍に高まるとのデータを得た。これは04年に発表され、メディアは大きく取り上げたという。
さらに英国、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン五ヵ国の調査をまとめた報告書が05年に発表されたが、そこでも十年以上の長期使用者で携帯を押しあてる側に聴神経腫を発病する相対リスクは1.8倍となっている。
これら一連の調査は、国際がん研究機関(IARC)が世界保健機関(WHO)の電磁波研究プロジェクトの一環として実施しているもので、インターフォン研究と呼ばれる。これにはイスラエル、スウェーデン、英国、オーストラリア、フランス、ドイツ、イタリア、日本など十三ヶ国が参加している。
主張を変えた「第一人者」
日本では総務省の生体電磁環境研究推進委員会(委員長・上野照剛・九州大学特任教授)が2000年12月から04年11月にかけ、携帯使用と聴神経腫患者97人と非患者330人を選定し、携帯電話の使用履歴、平均通話回数・時間、防護器具使用の有無などに関する質問を実施。そして07年2月、「携帯使用と聴神経腫との間に有意な関連性は認められなかった」とする報告書を発表した。
総務省はこれを報道資料としてメディアに配付したが、「関連性はなかった」こともあり、あまり取り上げられなかったという。しかし、この調査には見逃してはならない点がある。それは十年以上の使用者がほとんど入っていなかったことだ。
総務省もその不十分さは認識しており、「成人(20〜59歳)の携帯使用者10万人以上を対象に新たな調査を08年中に始める」(総合通信基盤局電波部電波環境課)という。
大切なのは現時点で、携帯電磁波の安全性が証明されたわけではないということだ。実はここにきて、科学者の間でも驚くべきことが起こっている。「携帯による健康被害の懸念はない」としていた学者が、考えを変えたのだ。
08年4月、オーストラリアの携帯電磁波問題の第一人者とされるブルース・アームストロング教授(シドニー大学公衆衛生学部)は、国内のテレビ番組『トゥデー・トゥナイト』でこう発言した。
「皆さんはショックを受けられるかもしれませんが、携帯使用と腫瘍リスクの関連を示す"エヴィデンス"(証拠)がどんどん出てきています。私自身は携帯のヘビーユーザーになりたいとは思いません」
アームストロング教授は数年前、『シドニー・モーニング・ヘラルド』紙で「携帯使用が腫瘍リスクを高めるという一貫した証拠はない」と言い切っていた。いったい何が教授の見方を変えたのか。同国のインターフォン研究の責任者だけにその影響は小さくない。
筆者が電話取材を試みると、教授はこう説明した。
「我々の調査結果はまだ出ていませんので、あのコメントはイスラエルなどの調査をもとにしたものです。テレビでは、"脳腫瘍との関連はない"とする調査にも言及したが、刺激的な部分だけが取り上げられました。でも誤った引用ではありません」
つまり、筆者と同様にアームストロング教授も、最近の欧州の調査結果を重視しているということだ。
子供のほうがずっと危ない
大人の携帯使用者以上に危険にさらされているのが、子供たちであるという。子供は頭蓋骨が薄く、神経組織も未発達なため、電磁波の健康被害をもろに受けやすいのだ。
ユタ大学のオム・ガンジー博士は、「人体に吸収される携帯電磁波のエネルギー量が大人と子供でどう違うか」を調査した。五歳児、十歳児、成人の脳と目を調べた結果、脳内は成人7.84(mW/kg)、十歳児19.77、五歳児33.12となった。また、目のレンズ部分は成人1.34(mW/kg)、十歳児6.93、五歳児15.6だった(『携帯電話―その電磁波は安全か』より、ジョージ・カーロ、マーティン・シュラム著、集英社、01年)。
つまり、五歳児の脳は携帯電磁波の熱を大人の四倍以上も多く吸収し、五歳児の目は十一倍以上も吸収してしまう。しかも、身体の保護組織ができ上がっていない子供は大人よりはるかに有害物質の攻撃に弱い。
このような状況を受け、英国政府は05年1月、「十六歳以下の子供の緊急時以外の携帯使用を控え、十歳以下の子供の使用を禁止するように」と勧告し、携帯会社にも子供向け販売キャンペーンをやめるように求めた。これは英国放射線防護局(NRPB)が2000年に政府に出した勧告をもとに、英国保健防護庁(HPA)が決定したものだ。
米国人疫学者のジョージ・カーロ博士によると、現在、英国、フランス、ロシア、イスラエルが子供の携帯使用を制限・禁止する勧告を出しているという。
日本政府はこのような勧告をしていない。総務省は、「今のところ携帯使用と脳腫瘍などに有意な関連は見られない。日本の結論としては、基本的に電波防護指針(SAR値=単位時間内に吸収される熱量:2W/kg)の範囲内であれば問題なくお使いいただける、ということです」(前出・電波環境課)と説明する。しかし、それで本当に問題ないのか。
携帯電磁波などの研究調査を行っているNPO「市民科学研究室」の上田昌文代表は、「インターフォン研究の懸念が子供たちに当てはまるとしたら、彼らが大人になる頃に影響が出てくる可能性がある。親は、子供に携帯電話を持たせれば脳が破壊されるかもしれないとの意識をもたなければならない。子供向けのガイドラインができるまで、中学生以下には携帯を持たせるべきではないと思います」と話す。
「政府は守ってくれない」
日本では大人の携帯使用者への助言も警告もほとんど行われていない。携帯販売店ではいちおうイヤホンマイクなど防護器具が売られているが、購入する人はあまりいないようだ。
筆者は携帯電話大手三社、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクに取材を申し込み、消費者に防護器具使用をすすめているかを尋ねた。回答は二社が「防護器具は健康への影響ではなく利便性のために用意している」と説明したが、「とくに使うようにすすめていない」という点では三社とも共通していた。
各社は携帯電話の安全性についてホームページなどで説明している。たとえば、NTTドコモは「ドコモの携帯電話の電波は電波法令の規定を順守し、電波防護指針値を下回るレベルで運用しています。この指針値以下の強さの電波は健康に悪影響を及ぼすおそれは無いと、世界的にも認識されている。したがって、安心してご利用いただけます」とし、他社も基本的に同じような説明だ。
しかし前にも述べたが、今の時点で携帯電話の安全性は証明されたわけではなく、不確かな状況なのだ。だからこそ、海外の専門家の多くは、「健康リスクを最小限にするために防護策を取るべきだ」と助言しているのである。
前出の上田代表によると、曝露量を減らす方法はいろいろあるという。たとえば、電波の通りが悪い場所では基地局との交信がひんぱんになるので使用を控えるとか、携帯は緊急時だけにして長電話をしないようにする、送受信の瞬間は強い電波が流れるので相手が出てから頭に近づけるようにすることなどだ。
総務省は「電波防護指針の範囲内であれば害はない」とし、基本的に日本で販売されている携帯は電波防護指針値以下になっているはずなので安全だという。指針値(熱量)は世界的な安全基準であり、あえて異論を唱えるつもりはない。しかし、「人体に害を及ぼすのは熱量ではなく、電磁波の作用そのものである。従って、SAR値の範囲内であっても健康リスクはある」と主張する科学者もいることを記しておきたい。前出のジョージ・カーロ博士は日本の携帯使用者にこう警告する。
「政府が消費者を守ってくれると考えるのは甘すぎる。政府は携帯業界が提供したデータをもとに規制をつくっているが、その情報の多くは古く時代遅れのものです。政府が電磁波の危険性の確証を得た頃には、すでに脳腫瘍が蔓延しているかもしれない。だからこそ早く防護策を取らなければならないのです」
日本では水俣病が発生したとき、いくつかの科学的なデータ、裏付けがあったにもかかわらず、経済成長を優先して、政府は対策のためになかなか腰を上げようとはしなかった。だからこそ日本人も携帯の利便性だけでなくリスクもすべて知った上で、身を守るための選択をしていくことが大切ではないか。
ジャーナリスト 矢部武
(『月刊現代』 2008年10月号)