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電磁波の健康被害
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電磁波の健康被害

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医学界も無視できない電磁波過敏症の増加

「携帯電話で話した後、耳の周りが熱くなる」という相談を受けることが最近、増えてきました。以前は、電磁波過敏症の方からの相談が多かったのですが、最近は一般の人にも体調変化が現れているようで、被害の拡大が心配です。
スウェーデンのハールベルク博士とオーストリアのオベルフェルド博士は、各国の電磁波過敏症の有病率の増加を分析し、「2017年には人口の50%が電磁波過敏症を発症する」という予測を6年前に発表しましたが、2017年まであと5年です。電磁波過敏症が、花粉症のようにごく身近な病気になる日が近づいているのかもしれません。
医療関係者も電磁波による健康被害を訴える人々の増加を無視できなくなってきたようです。今年5月23日、カナダのウィメンズ・カレッジ・ホスピタルの環境衛生クリニックは、電磁波過敏症に関する医学的理解を深めるために、医師を対象にしたセミナーを開催しました。カナダでは、症状が現れるとまず家庭医に相談し、次に同大学の環境衛生クリニックのような専門医を紹介されます。同クリニックの医療ディレクター、リーナ・ブレイ博士は、「私たちはこの病気について、もっと認識を高める必要がある」と述べています。
セミナーで講演したトレント大学のマグダ・ハヴァス博士は、フランスやスペインでの携帯電話基地局周辺の疫学調査や、スイスで行われた電磁波過敏症の健康調査の結果を示し、基地局周辺で頭痛やめまい、不眠などの症状が起きていることを説明しました。また、電磁波によって血糖値、脈拍などに変化が現れることを指摘し、電磁波過敏症は精神的な疾患ではなく、身体的疾患であることを明確に示しました。
カナダ国内には電磁波によって深刻な影響を受けている人が3%、中程度の影響を受けている人が35%いると考えられており、カナダの人口は3,300万人なので、深刻な影響を受けている人は約100万人、中程度の影響を受けている人は1,200万人になる見込みです。日本でも3%が深刻な影響を受けているとすると、それだけで約380万人になる計算です。
ハヴァス博士は、とくに影響を受けやすいのは、神経系に物理的なショックを受けたことがある人、殺虫剤などに含まれる化学物質や、環境中の電磁波、ダニなどの生物学的因子に曝露した人、免疫系が阻害されている人、高齢者、子ども、胎児だと説明しています。また、原因である電磁波に対処することが重要だと訴え、免疫系を高めることやデトックスの重要性も示しています。
欧州では今年3月に、オーストリア医師会が、電磁波による健康問題を診断・治療するためのガイドラインを発表しています。患者への問診表は、睡眠障害や疲労、頭痛などの症状のチェックのほかに、症状が発生する時間や場所を確認する質問、携帯電話やコードレス電話の使用状況など、電磁波発生源を確認するリストの3項目で構成されています。
また、電磁波過敏症かどうかを確認するための血液検査の項目をリストアップしたほか、患者の生活環境での電磁波測定の方法と被曝値の目安も明記しました。無線周波数電磁波の正常値は0.0001μW/平方センチメートル、低周波磁場は0.2mGという厳しいものです。治療としては被曝をできるだけ減らすことや、免疫力を高めるために自律訓練法、ヨガ、進行性の筋肉リラクゼーション、呼吸テクニック、瞑想、太極拳、気功などを行うこと、抗酸化物質の摂取などを勧めています。
患者が存在するのは厳然とした事実です。日本政府は、「総務省の電波防護指針以下なら安全」と説明しているので、国内の有病率は調査されていませんが、早急に実態を把握し、発症者の救済と被害抑止対策をとるべきです。

文:加藤やすこ(環境ジャーナリスト、いのち環境ネットワーク代表)
(『建築ジャーナル』 2012年9月号)