「非熱作用」を考慮に見直し
EU(欧州連合)は「EU理事会」「EU委員会」「EU議会」で構成されています。
現在のEUの電磁波規制は、EU理事会が1999年に出した勧告を参考に、加盟国が採用しています。
勧告に拘束力はありませんが、それなりの影響力があります。
1999年勧告は、ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)が1998年に出した国際ガイドライン値を指針値にしています。
このガイドライン値は、電磁波の急性影響である「熱作用」を元にしたもので、慢性影響の「非熱作用」は考慮に入れていません。
非熱作用は、熱作用の1万分の1以下の強度で起こる作用と言われています。
そのため、スイスやイタリアなどはすでに1998年勧告より厳しい基準を独自に採用していました。
今回の報告書は、こうした動きに影響されてEU委員会が出した報告書で、電磁波規制をより厳しくするよう見直しを求め、EU議会が、今年4月に賛成559、反対22、危険8と、圧倒的多数で採択したのです。
電磁波曝露範囲を示す地図の公開
報告書による勧告は、以下の内容です。
◇携帯電話基地局など電磁波発生源施設は学校や保健施設から一定の距離を置いて設置すること。
◇アンテナ、基地局、高圧送電線の設置に当たっては、健康リスクと訴訟を最小化するため、産業関係者、行政当局、住民団体の間で協議すること。
◇電磁波発生源施設の電磁波曝露範囲を示す地図をインターネットで利用できるようにするなど、市民が信頼できる情報を閲覧できるようにすること。
◇携帯電話と脳腫瘍の関係をみる「インターフォン研究」(国際共同疫学調査)の公表が延期されているが、「なぜ遅れているか」理由をWHO責任者に聞くべき。
◇子どもと10代の若者は脳が未発達な段階だが、リスクがまだ不確実である。
そこで、携帯電話の危険性について意識を高めるための働きかけをする。ハンズフリーキットを使用したり、通話時間を短くしたり、使用していない時は電源を切るなど、携帯電話の賢い使い方を奨励するため、EU資金の一部を啓発キャンペーンに振り向けること。
◇スウェーデンにならって、電磁波過敏症で苦しむ人々に適切な防護を均等に与えるため、障害者として認知すること(スウェーデンは電磁波過敏症を病気とは認知していないが、「身体障害の一つ」として認知し、法的にケアが受けられる)。
ここ1〜2年、欧州を中心に急速に電磁波への警戒意識が高まっています。リスクが「確定」してから動くのでは被害を防ぐことはできません。
日本でも早急な対策が求められます。
大久保貞利(電磁波問題市民研究会事務局長)
(『食品と暮らしの安全No.246』 2009.10.1発行)
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