騒音や事故の対策はどうする
リニアモーターカーは深度40m以下の「大深度地下」を通すことが予定されています。電磁波公害を沿線周辺にまき散らすため、用地買収が困難と見られているからです。
地下鉄では一部が大深度地下を走りますが、それは既存の地下鉄の下を通る場合です。ところが、リニアは全線大深度地下走行を考えています。そのトンネルを時速500kmで突っ走るのですから、乗客に対する騒音問題は避けては通れません。その対策はどうするのでしょうか。
前回述べたように大深度地下で万一事故が発生した場合には、救出作業は困難を極めます。地震、火災、停電と、どれを想定しても相当な不安要因です。
経済コストはべらぼう
建設が大深度地下になれば、地上よりコスト高になるのは当然ですが、それに加えてリニア鉄道は超伝導コイルという特殊技術を使うのでコストがかさみます。ところが、「東京−名古屋間」のリニア中央新幹線建設にあたってJR東海が出した試算によると、「1km当たり196億円」です。
一方、東京の地下鉄(池袋−渋谷間)では1km当たり276億円かかると試算されました。つくばエクスプレスの秋葉原−東京間の延長工事計画での試算は1km当たり500億円です。それらを考えても、JR東海の試算は少な過ぎ、「あまりに安易」と批判されています。
八ッ場(やんば)ダムも、建設費が当初計画の2倍に膨れ上がり批判されていますが、JR東海が出した試算には、駅の新設、防災施設、避難路確保のための用地買収、金利等は含まれていません。
実際とこまで建設費が増大するか予想がつかないのが本音です。
「成田−羽田」の必要性は?
一方、成田−羽田リニア構想では総事業費が「大づかみで3兆円」といわれています。それに対し、2004年度に国交省が調査したデータによると、成田空港−羽田空港間の交通機関利用客数は推計約3100/日です。さらに、来年度には羽田空港−日暮里間に新線が開通し、最速36分でその間を結びます。新線は車窓からの眺めが楽しめ、料金もリニアより安いのですから、リニア利用客はそれだけ減ることが予想され、「3兆円」の採算が合うとは、とても考えられません。
前原誠司国土交通相が提起した「羽田ハブ空港化」が実現すれば国内線・国際線の乗り換えがスムーズになり、成田−羽田間の移動が必要なくなります。
それでも強行する「必要性」はどこにあるのでしょうか。
大久保貞利(電磁波問題市民研究会事務局長)
(『食品と暮らしの安全No.249』 2010.1.1発行)
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