アメリカでは機種ごとの電波強度を公表響
携帯電話の機種ごとの電波強度(SAR値)がわかれば、リスクが気になる消費者は低い値の機種を選ぶことができます。アメリカの規制官庁である連邦通信委員会(FCC)は、メーカーが提出する機種ごとのSAR値のデータをホームページで公表。メーカー大手のモトローラ社もホームページで自社製品のSAR値が検索できるサービスを始めています。
消費者が比較検討できるように、各メーカーの機種のSAR値の一覧表を作り公表しているNGOもあるほどです。
「子どもは携帯を使わないようにしよう」警告表示
イギリスでは保健省作成の「携帯電話と健康」というパンフレットを携帯電話売場で配布することが義務づけられています。
その中では「SAR値が基準値以下でも脳機能に変化が起こりうるという研究結果がある」ため予防的措置として、電磁波の被曝を減らすための措置を紹介しています。
また16歳以下の子どもは、脳神経が未発達で影響を受けやすいとして「本当に必要な場合を除いて、携帯電話を使わないように」勧告しています。機種ごとのSAR値についても、今年中に公表予定で準備を進めているとのこと。
情報を出さない日本
日本では、ようやく総務省が基準値を設定しようとしている段階。機種ごとのSAR値の公表の予定はありません。
安全とは言い切れないから情報を積極的に提供する欧米政府・メーカーに対して、危険とは言い切れないから大丈夫という日本政府・メーカー。こんな日本で、携帯電話を使わざるを得ない人はとりあえず以下のような方法で自衛しましょう。
携帯電話使用時の自衛法
1.通話時間を短くする。必要な時以外使わない。
2.体から離して(50cm以上)使用する。イヤホンマイクを使う。
3.電波のつながりやすい所で使用する。(電波の状況の悪いところでは、電波の出力が自動的に上がるため)
4.電話がかかった瞬間は、頭部から離す。(かかった瞬間は出力が大きくなるため)
植田武智(事務局)
(『食品と暮らしの安全No.145』 2001.5.1発行)